忘れていた子どもの出来事 長男のどもり

先日、実家でバーベキューをしていて、
もう子どもたちは寝てしまい、大人だけで話をしていた時のことです。

長男の話になり、
「長男は要領が悪い。
すぐに調子に乗るし、悪ふざけをする。
だから周りの大人にも怒られるし、かわいがられることはあまりない。
特に次男といると、大人は子供らしい子どもである次男によく構うし、
次男がやっていて構ってもらっているから
長男も構ってほしくて同じことをすると、冷ややかに対応されて落ち込む。
だからかわいそうになる。」

というようなことをわたしが話していたら、
父が
「長男くんは前にどもっていたことがあっただろう?
あれはきっとうまく話さなきゃ、とか思っていたからどもっていたんじゃないだろうか。
すごく気を遣うし、優しい子なんだよ。
優しすぎるくらいに優しい子なんだよ」
と言っていました。

ハッとしました。

すっかり忘れていました。

長男はどもっていたのです。
幼稚園に入園する前のことです。

長男は2歳になったらすぐに2語文を話し始め、
ほんとうにすぐに流暢に話すようになりました。

大人が会話するように言葉もたくさんの種類を知っていて、
こちらが驚くほどでした。

よく言えば、そうなりますが、
悪く言えば、口達者でかわいらしくはない子どもです。

そうして話し始めていたのですが、
いつからかなどはくわしくは覚えていないのですが
どもりはじめました。

「だ、だ、だから・・・・・」などです。

よくイライラして
「だからなんなの??!!わからない!!」などと暴言を吐いていました。

ほんとうに情けないくらいに自分勝手にイライラを
長男にぶつけていたのです。
発達障害 子どもの障害の疑いを指摘される

そのうち、長男の口数も減ってきました。

マシンガントークをしていた長男が静かになったのです。

表情も明るくはありません。
いつもどこかつまらなさそうというか、沈んだ感じです。

このままではいけない。

そう焦って、わたしはいろいろなブログやホームページで調べたり、
幼児タイムの先生に相談したりしました。

とにかく焦らずに、ゆっくり話を聞くこと。
訂正をせずに、じっくりと聞くこと。

このふたつを心掛けました。

「そのままでもいいんだよ」と、伝わればいいなと思っていました。

これも勝手ですが、
長男にはどもっていたとして、それでもいいんだよ、
だから話してもいいんだよ、と伝えていきました。

「あ、あ、あ、あのさ・・・」
「うん、なぁに?」
「いっ・・・いっ・・・・・いま・・・」
「うん、いま?」
「こ、こっ・・・・これ食べてもいい?」
「いいよ~」

と時間はかかっても、長男が言いたいことを伝えられて、
わたしが十分に聞く姿勢を作る。

そして、気にしないこと。
でした。

どもっていても、他のお友達のいるところへも連れて行きますし、
人とも会話をさせます。

「こんにちは~」
「こっ・・・こっ・・・・・・・・・・」
「大丈夫よ~」と背中をさすったりして
「こっ・・・・こんっ・・・にちは」
「上手に言えたね~」

やはり、
「あら、どもっているのね。おかあさん、ちゃんとこの子を見てあげないと」
とか
「怒ったりしたら駄目よ。しゃべれなくなるんだから。困るのはこの子よ」
と言われたことも少なくありません。

思えば、このようにどもりがあってくれたおかげで
忘れていた長男と向き合うということ、
そしてどんな子どもでも誇らしい。ということを
思い出させてもらいました。

そうして、幼稚園への入園もまだだったので
じっくり関わっていたら、いつの間にかまたおしゃべりな長男が戻ってきました。

どもりもありません。

日々の慌ただしさに忘れてしまっていましたし、
長男が成長し、また新たな悩みが出てきたりしていて
置き去りになっていた大事なことでしたが
長男が教えてくれたこと、見せてくれたことがあったんだった。
と思い出しました。

すごく大事な出来事だったのに
忘れてしまっていた自分にショックでした。

父がよく覚えていてくれたなぁと驚きました。

こうしていろいろな人たちに成長を見守られて
長男がここまですくすくと大きくなりました。

ほんとうに感謝です。